キリンの首が長くなったわけ2/2 |
「おや?気が付いたようだね」 キリンの顔を太陽のような顔をした動物がのぞき込みました。 「さぁ、この実をお食べ」 大きな耳の動物が長い鼻で甘いにおいの木の実をくれました。 「・・・ルウは?」 「ルウ?お前さんは一人でここに倒れていたんだよ」 白と黒のきれいなしましまの動物が言いました。 「ここでは見かけない体をしているけど、どこから来たんだい?」 黒い大きな体の動物が木の実の皮をむいてくれました。 キリンは泣きながら今までの事を話しました。みんな黙ってキリンの話を聞いていました。 「空を見てごらん。白く大きなものがあるだろう。あれは月だ。お前はあそこから、星の川に流されてここへ来たんだよ」 鼻に大きなツノがある動物が教えてくれました。 「じゃあ、ここはどこなの?」 「地球だよ」 キリンはルウと眺めた青い星の事を思い出しました。 「どうやったら、月へ帰れるの?」 「星の川は月からしか流れない。もう月へは帰れないのさ。遠い昔、私たちもお前と同じように雨上がりの星の川に流されてここへ来たんだよ」 動物たちは、みな月を見上げていました。 「帰れないの?!じゃあ、二度とルウに会えないの ?!そんなのいやだよ!ルウに会いたいよ!ボクの大切な友達なんだ!」 「かわいそうだが、私たちは月へ帰る方法を知らない。だから、ここで生きていくしかないのだ。そのうち、君にもここのよさがわかるだろう」 「・・・どんなにいい所だってルウがいないんじゃ、だめだよ・・・ずっと一緒にいようって約束したんだ・・・」 キリンは大きな涙をたくさんたくさん流しました。 キリンは毎晩月を見上げました。 いつか、きっとルウに会えると信じて。 毎晩毎晩、ずっとずっと・・・ そして、少しずつ少しずつキリンの首は月に届くかのように長く伸びていったのです。 遠い遠い昔のお話です。 |